参考書4冊で一発合格!宅建独学勉強法

不動産業に従事している分けではないですが、土地を購入して家を建てる機会があり、元々不動産に興味があったこともあって、宅建士の勉強をして試験を受けることにしました。

 

"結果は..."と言うと、延べ200時間ほど(週5~7時間、8ヶ月間)の独学を経て、無事、宅建士試験に一発合格できました。

 

この記事では、その時の独学での勉強方法をご紹介したいと思います。

 

これから宅建士試験を受ける方のお役に少しでも立てれば嬉しく思います。


目次:

・宅建士試験の概要

・宅建士試験の独学勉強法:オススメ参考書

・宅建士試験の独学勉強法:どこで得点を稼ぐか?

・宅建士試験の独学勉強法:オススメスケジュール


宅建士試験の概要

勉強方法のご紹介の前に、宅建士試験について簡単にまとめます。

 

※例年6月に一般財団法人不動産適正取引推進機構より正式発表がありますので、不動産適正取引推進機構のウェブサイトを必ずご確認下さい。

http://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html(外部リンク)

 

受験資格

年齢・学歴・業務経験など、一切不問です。誰でも受けられます。

 

受験者数・合格率

毎年約20万人が試験を受けます。合格率は15~20%程度です。

 

試験形式

4択のマークシート方式で、全50問×各問1点=計50点満点、合格ラインは35点前後です。

 

試験時間は2時間で、電卓や法令集などの持ち込みはできません。

 

スケジュール

・6月:試験概要の発表

・7月:申込(オンラインまたは郵送)

・10月:試験

・11月下旬~12月上旬:合格発表

 

受験料

7,000円

 

宅建士試験の独学勉強法:オススメ参考書

宅建士試験には3つ、勉強方法を決定付ける大きな特徴があります。

 

独学のためのオススメ参考書をご紹介する前に、まずは宅建士試験の特徴と、特徴に合わせた勉強方法のポイントを整理します。

 

宅建士試験の特徴1:出題範囲が決まっている

⇒ポイント1:出題範囲の全体像を早めに理解する(今後のスケジュール感が掴みやすくなります)

 

宅建士試験の特徴2:マークシート形式

⇒ポイント2:細かい文言まで覚えなくていい。"書き取り練習"は一切やらない

 

宅建士試験の特徴3:7割程度の正答率で合格できる

⇒ポイント3:満点を目指す必要はない。得点の効率が悪い"面倒な"問題は捨てられる

 

これらの3つのポイントを踏まえ、私は参考書を下記4冊に絞りました。

 

出題範囲が決まっている以上、この4冊があれば十分で、これ以外のものに手を拡げると逆に効率が落ちると思います。

 

各参考書をいつ・どう使うかは、後出の「宅建士試験の独学勉強法:オススメスケジュール」の章でご紹介します。

 

「うかる!マンガ宅建士入門」 

目的:試験の出題範囲の全体像を早めに掴む

 

「パーフェクト宅建 基本書」

目的:必要な知識のインプット(文字通り「基本書」)

 

「パーフェクト宅建 一問一答」

目的:知識として定着するための反復練習&自分に定着していること/定着していないことの見える化

 

「パーフェクト宅建 過去問」

目的:試験の雰囲気と時間のイメージの把握

宅建士試験の独学勉強法:どこで得点を稼ぐか?

「得点の効率が悪い"面倒な"問題は捨てられる」と前述しましたが、それと関連して、ここでは「どの分野で得点を稼ぐのが効率的か」を解説したいと思います。

 

(言わずもがなですが)1問1点のマークシート形式の場合、その問題がどんなに難しくても(または、その逆にどんなに簡単でも)貰える得点は1問1点です。

 

ですので、効率良く勉強するには、効率良く点が取れる分野に重点的にリソース(勉強時間)を割くことが重要になります。

 

では、どの分野に重点的にリソースを割くのがいいのか、と言うと、宅建士試験は分野ごとの出題数が決まっています。

 

・権利関係:14問

・法令上の制限:8問

・宅建業法:20問

・税・その他:8問

 

一方で、分野ごとの必要な勉強量の目安として、「パーフェクト宅建基本書」のページ数をカウントすると

 

・権利関係:223ページ

・法令上の制限:182ページ 

・宅建業法:171ページ

・税・その他:115ページ

 

となっています。

(私が使った年度のバージョンで数えていますが、最新版でもそれほど変わらないはずです)

 

これらの数字から、1問当たりのページ数(ページ数÷出題数)を計算します。

 

大雑把に言うと、この数値は「その分野の問題を1問正解するために、パーフェクト宅建基本書を何ページ勉強する必要があるか」という意味合いになります。

 

・権利関係:16ページ/問

・法令上の制限:23ページ/問

・宅建業法:9ページ/問

・税・その他:14ページ/問

 

この結果からも分かる通り、「宅建業法」が最も効率良く得点を稼ぎやすい分野になっています。

 

その次は、数字上では「権利関係」と「税・その他」が並びますが、実際に勉強してみた感覚としては、「税・その他」は、"その他"がパーフェクト宅建基本書のページ数以上に範囲が広い印象で、個人的には「権利関係」の方がかなり勉強しやすかったです。

 

ですので、あくまで個人的な意見ですが

 

・効率が良く、出題数も多い「宅建業法」「権利関係」は細かい点までしっかり勉強する

 

・「税・その他」「法令上の制限」は、基本的なことだけ理解しておく。細かい点はやらない

 

という勉強の仕方(&割り切り方)が効率が良いと思います。

 

ちなみに、「税・その他」や「法令上の制限」の効率が悪いと言っても、基本的で簡単な問題も出ますし、「宅建業法」「権利関係」だけ極めても合格点には届きませんので、"「宅建業法」「権利関係」以外は全く勉強しない"というのは、確実に合格を狙う上では止めるべきです。

 

宅建士試験の独学勉強法:オススメスケジュール

次は、独学で勉強する際のオススメスケジュールです。

 

インターネットには、3ヶ月で合格する、1ヶ月で合格する、といった文言も出て来ますが、運任せではなく確実に合格するには、トータルで200時間ほど掛かります。

 

ここでは、1日1時間、1か月当たり20~30時間勉強する前提で、8ヶ月プランをご紹介します。

 

1か月目(~2月末)

「うかる!マンガ宅建士入門」を一通り読み、試験の出題範囲の全体像を把握します。

 

全体像の理解が目的ですので、この段階では、用語や数字などを覚えようとする必要はありません。

 

参考書に線を引いたりノートに書き取りをしたり、といったことは一切不要で、1日平均10~15ページ、丁寧に読み進めれば十分です。

 

マンガの入門書ですので、独学でも挫折せずにこなしやすいと思います。

 

2~3ヶ月目 (~4月末)

「パーフェクト宅建基本書」を用いて、宅建士試験に必要な知識のインプットをします。

(個人的には、この時期&作業が全体の中でも最も苦痛でした)

 

トータルで2か月間ありますが、700ページ以上ある「基本書」を隅々まで読み込むのは非効率ですので、効率的に読み込むコツを整理します。

(とは言え、苦痛であることには変わりないですが...)

 

「宅建業法」「権利関係」:

・まずは最も効率よく得点を稼げる「宅建業法」「権利関係」から始めます。

 

・「パーフェクト宅建基本書」を一語一句、丁寧に読みます。各項目とも、冒頭の導入部と最後のまとめを2回ずつ読んでから本編に入ると、(やや)理解しやすいです。

 

・まだ、無理に用語や数字などを覚えようとする必要はありません。参考書に線を引いたりノートに書き取りをしたり、といったことは不要です。

 

「税・その他」「法令上の制限」:

・「宅建業法」「権利関係」が終わったら「税・その他」「法令上の制限」に進みますが、この2つは得点を稼ぐ上で効率が悪い分野なので流します。具体的には、各項目とも、冒頭の導入部と最後のまとめを2回ずつ丁寧に読むだけにします。

 

付録:

・本編に書かれている内容なので、一切読まなくて大丈夫です。

 

4~6ヶ月目(~7月末)

この時期の勉強の目的は、

 

・「パーフェクト宅建一問一答」を使い、宅建士試験で出題される問題の感覚(どんなことが問題として聞かれるのか)を掴む

 

・「パーフェクト宅建一問一答」を使い、「基本書」で勉強してきたことの中で何が自分の知識として定着しているか(&何が知識として定着していないか)を確認する

 

・「パーフェクト宅建基本書」に戻り、自分に定着していない知識を埋める

 

の3つになりますが、この時期の勉強の進め方に入る前に、この時期の勉強において重要な役割を担う「パーフェクト宅建一問一答」の効率的な使い方をご紹介します。

 

効率的な「パーフェクト宅建一問一答」の使い方:

「パーフェクト宅建一問一答」の各問題を解いていく際に、「今回、理由も含めて正解でき、3ヶ月後も正解する自信がある問題」(=知識として定着している問題)は、各問題に付いている白い四角に"/"(スラッシュ)を入れます。

 

そして、四角に"/"を入れた問題は、(試験前を除き)今後、一切見ないようにします。

 

こうすることで、知識として定着していること・定着していないことを見える化でき、知識として定着していることに追加で時間を使ってしまう"無駄"を避けることができます。

 

勉強の進め方:

この時期の全般的な勉強の進め方としては、

 

・「一問一答」の「宅建業法」を一通り解く⇒「基本書」の「宅建業法」を読む

 

・「一問一答」の「権利関係」を一通り解く⇒「基本書」の「権利関係」を読む

 

・「一問一答」の「法令上の制限」を一通り解く⇒「基本書」の「法令上の制限」を読む

 

・「一問一答」の「税・その他」を一通り解く⇒「基本書」の「税・その他」を読む

 

という順番で進めていくのがオススメですが、この段階では、「宅建業法」「権利関係」に加えて、「法令上の制限」「税・その他」も、冒頭の導入部と最後のまとめだけでなく、本編も読むようにします。

 

但し、「一問一答」を解いて、どんなことが問題として聞かれるのか感覚が掴めていると思いますので、

 

・問題になりそうで、知識として定着していないところは丁寧に読む

(この段階でも、まだ、参考書に線を引いたりノートに書き取りをしたり、といったことは不要です)

 

・知識として定着している、もしくは、「一問一答」に出てこない細か過ぎるところ(例えば数字)は読み飛ばす

 

というのが、効率的に勉強する上でのポイントです。

 

なお、この時点では「一問一答」の全問題の中で、1~2割程度にしか四角に"/"が入らないと思いますが、まだ時間は十分ありますので、焦る必要はありません。

 

7~8ヶ月目(~9月末)

この時期にやることは、4~6ヶ月目でやったことをひたすら繰り返すことです。つまり、

 

・「一問一答」で、まだ四角に"/"が入ってない問題を解く。「今回、理由も含めて正解でき、3ヶ月後も正解する自信がある問題」には、四角に"/"を入れる

 

・「基本書」で、問題になりそうで、知識として定着していないところを丁寧に読む。知識として定着している、もしくは、「一問一答」にも出てこない細か過ぎるところは読み飛ばす

 

という作業を、2周目、3周目...と、時間の限り繰り返します。

 

四角に"/"が入った問題は回を追うごとに増えますので、繰り返すほど、一巡する時間は短くなります。

 

なお、これまでは、参考書に線を引いたりノートに書き取りをしたり、といったことはしませんでしたが、3周目が終了した段階では、まだ覚えていない重要な点は、自分なりの方法でしっかりと覚えるようにします。

(私の場合は「基本書」の該当ページを折り曲げ、覚えるまで集中的に見返しました)

 

試験前の2週間(~10月中旬)

仕上げとして2つの作業をします。

 

・「パーフェクト宅建一問一答」で四角に"/"を入れた問題を見直す

 

これまでは、試験勉強の効率アップのために、知識として定着している問題は四角に"/"を入れ、一度"/"を入れた問題は一切見ない、という方法を採ってきましたが、本番の試験で実際に得点が取れるのは、知識として定着している問題(="/"を入れた問題)になります。

 

ですので、試験直前には"/"を入れた問題を見直し、実際の試験で取りこぼさないようにします。

 

・時間を計りながら過去問を解く

 

試験の雰囲気と時間のイメージの把握するためですので、3年分もやれば十分です。

 

重要な問題は「パーフェクト宅建一問一答」でカバーされていますので、それ以上は必要ありません。


以上、長くなりましたが、私個人の経験を踏まえた宅建のオススメ独学勉強法でした。

 

これから宅建士試験を受ける方の参考に少しでもなれば幸いです。