SAPIXの算数パズルのレビュー:「きらめき算数脳」

きらめき算数脳(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想:算数の教育・勉強・学習

(最終更新:2020年2月) 

 

以前、SAPIX(サピックス)の「きらめき思考力パズル」を紹介しましたが、今回は、同じくSAPIXが出している「きらめき算数脳」という算数パズルの本を紹介したいと思います。



きらめき算数脳1・2年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_1:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳」(SAPIX)の構成

「きらめき算数脳」は、

 

・入学準備~小学校1年生(数・量)

・入学準備~小学校1年生(図形・位置)

・小学1・2年生

・小学2・3年生

・小学3・4年生

・小学4・5年生

 

の計6冊のシリーズになっています。

 

今のところ、うちの上の子供(小学校2年生)がやってみたのは「小学1・2年生」「小学2・3年生」「小学3・4年生」の3冊ですので、そちらを中心に紹介していきます。


「きらめき算数脳」を購入する前は、小学校のカリキュラムに沿った"進研ゼミ"や"Z会"的なものを想像していたのですが、実際は「きらめき思考力パズル」と同様、小学校のカリキュラムとは全く関係なく、「自分の頭で」「論理的に」思考する力が鍛えるための算数パズルになっています。

 

(「きらめき算数脳:小学1・2年生」掲載パズルの例)

きらめき算数脳1・2年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_2:算数の教育・勉強・学習

但し、「きらめき思考力パズル」は同じ種類の問題を何問も反復する形式になっていますが、この「きらめき算数脳」は、左右見開き2ページごとに1つのパズルが収められており、毎ページ(正確には、毎"見開き")違うパズルになっています。

 

そのため、「きらめき思考力パズル」と違って、「きらめき算数脳」は毎回毎回、問題文を読み込んでルールを理解する必要があり、自分で考えて問題を解く論理的思考力だけでなく、文章の読解力も同時に鍛えることができます。

 

各パズルとも左側のページが例題になっており、左ページ⇒右ページ上⇒右ページ下と、徐々に難易度が上がる構成になっています。

(ちなみに、各パズルは☆1つから☆3つまで難易度が振られていますが、本人の得意・不得意もあるため、☆の数と実際の難易度はあまり関係ない気がしました)

 

「きらめき算数脳:小学1・2年生」の内容

 「きらめき算数脳:小学1・2年生」には、数パズル・図形パズル・論理パズルなど、幅広い種類の算数パズルが計34問、収録されています。

 

どのパズルも、必要な算数の知識としては1桁の足し算まで、漢字にもしっかりとフリガナが振ってあるため、小学校1年生のお子さんでも取り組めるようになっています。

 

但し、問題の難易度は、他の同学年向けの算数パズル本に比べてかなり高めです。

 

問題を解くに当たっては算数の知識は殆ど要りませんが、問題のルールを理解する文章読解力と、自分で粘り強く考えて解く力が必要になる問題ばかりですので、ある程度、他の算数パズル・論理パズルをやって後でこのパズルに取り組むのがオススメです。

(他の算数パズルをやらずにいきなり「きらめき算数脳」から始めると、挫折する可能性が高いと思います)

 

うちの子供の場合、「きらめき思考力パズル」の「小学2~4年生」までを一通り終えてから「きらめき算数脳」の「小学1・2年生」に取り掛かったため、取り掛かる前は「『小学1・2年生』は簡単過ぎるかな」と思っていたのですが、毎回毎回新しいパズルに変わるため、「問題をしっかり読んでルールを理解する」ということに苦労することが多かったです。

(「問題の意味が分からない~!」と頻繁に嘆いていました)

 

また、パズルのレベルも割とまちまちで、パズルによっては「きらめき思考力パズル」の「小学2~4年生」よりも難しい問題もちらほら混じっており、結局、すんなり解けない問題が半分くらいありました。

 

但し、1パズル当たりの問題数自体は多くないため、1日1~3パズルのペースで解いていき、大体、1か月くらいで1冊終えていました。

 

(「きらめき算数脳:小学1・2年生」掲載パズルの例)

きらめき算数脳1・2年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_3:算数の教育・勉強・学習
きらめき算数脳1・2年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_4:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳:小学2・3年生」の内容

きらめき算数脳2・3年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_1:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳:小学2・3年生」も「小学1・2年生」と全く同じ構成になっており、少し難易度の上がった算数パズルが計34種類収録されています。

 

「小学2・3年生」向けにはなっていますが、掛け算・割り算が必要になる問題はなく、算数パズル慣れしたお子さんでしたら、掛け算・割り算を習得していなくても取り組めます。

 

但し、前述の通り、毎回毎回、問題文を読み込んでルールを理解しないといけない上に、「小学2・3年生」の方は一部の漢字にはフリガナが振っていないケースもあります(例えば、「赤」「青」「字」「出る」など。1年生で習う漢字にはフリガナを振っていないようです)ので、「問題を理解する」という点では、小学2年生未満のお子さんが取り組む場合は、問題のルールを理解するのを親がサポートする必要があります。

(但し、問題を読み込んでルールを理解することも、この「きらめき算数脳」で鍛えられる重要な要素だと思いますので、個人的には、親が手伝うのは望ましくないと思いますが...)

 

ちなみに、うちの子供が小学校2年生の前半で「2・3年生」に取り組んだ際には、「1・2年生」に取り組んだ際と同様、「問題の意味が分からない~!」という嘆きは頻繁に聞きましたが、少なくとも漢字が読めないという問題は発生しませんでした。

 

なお、「きらめき算数脳1・2年生」と同様、「2・3年生」も、1パズル当たりの問題数自体は多くないため、こちらも大体1か月程度で1冊終えられます。

  

(「きらめき算数脳:小学2・3年生」掲載パズルの例)

きらめき算数脳2・3年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_2:算数の教育・勉強・学習
きらめき算数脳2・3年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_3:算数の教育・勉強・学習
きらめき算数脳2・3年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_4:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳:小学3・4年生」の内容

きらめき算数脳3・4年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_1:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳:小学3・4年生」も他のシリーズと全く同じ構成で、様々なタイプの算数パズルが計34種類収録されています。

 

こちらは、小学校2年生の冬休み~2月の、計2か月くらい掛けて取り組みました。

 

「小学2・3年生」向けと違って掛け算・割り算ができることは前提になりますし、パズル自体の難易度もかなり上がっていましたが、小学3・4年生でないと習わない漢字や算数の知識は必要とせず、ある程度パズル慣れしているお子さんでしたら、小学2年生でも十分取り組める内容でした。

 

ただ、問題のルールが「きらめき算数脳:小学1・2年生」「きらめき算数脳:小学2・3年生」と比べてさらに複雑になっているため、ある程度の文章読解力が必要になります。

 

うちの子供は、ルールを理解することにこれまで以上に苦戦しており、ほぼ毎回「問題の意味が分からない~!」と嘆いていました...

 

(「きらめき算数脳:小学3・4年生」掲載パズルの例)

きらめき算数脳3・4年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_2:算数の教育・勉強・学習
きらめき算数脳3・4年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_3:算数の教育・勉強・学習
きらめき算数脳3・4年生(SAPIX)の口コミ・レビュー・評判・感想_4:算数の教育・勉強・学習

「きらめき算数脳」を始めるタイミング

うちの子供にはこれまで色々な算数パズルに取り組んで貰いましたが、この「きらめき算数脳」は

 

・同じような問題を反復するドリルと違って、毎回タイプの異なる新しい問題にチャレンジする必要がある

・しかも、パズルのルールが割と複雑で、ルールを理解するための文章読解力が必要

・パズルとしての難易度が高いものも結構混じっている

 

という点で、これまでにやってきた他の算数パズルよりもかなり苦労していました。

 

「できる」⇒「楽しい」という成功体験を持たせることが、子供に学習を継続させる上で一番重要なことだと思いますので、いきなりこの「きらめき算数脳」に取り掛かるのではなく、

 

・少なくとも「きらめき思考力パズル」の「1~3年生」「2~4年生」を先にやる

・その上で、今の学年に拘らずに「きらめき算数脳」の「1・2年生」から始めて、「2・3年生」「3・4年生」と徐々にステップアップしていく

(「1・2年生」もそんなに簡単ではないです)

 

というやり方が、効率という点でも、本人のモチベーションを保つという点でもいいのではないか、と思います。